Second Chance 2013 6 30

 最近、「アメリカは、ラッキーな国だ」という論調が多くなりました。
世界の誰もが、「アメリカは傾く」と思っていたのに、
シェール革命によるシェール・ガスやシェール・オイルによって、
アメリカは、天然ガスや石油の輸入国から輸出国になるでしょう。
そして、長年の持病だった「双子の赤字」も解消されるかもしれません。
 私は、2007年9月30日に、
「SECOND CHANCE」という書評を書きました。
 アメリカにとって、シェール革命とは、
「Second Chance」であり、「Last Chance」でもあったのです。
 運命の女神に後ろ髪はない。
アメリカは、チャンスを勝ち取ったということでしょう。

SECOND CHANCE 2007 9 30

書名 ブッシュが壊したアメリカ
著者 ズビグニュー・ブレジンスキー  徳間書店

 この本の書名は、誤解を招くと思います。
英語の書名は、以下のようになっています。
Second Chance:
Three Presidents and the Crisis of
American Superpower
by Zbigniew Brzezinski
 そういうわけで、日本語の書名も、
「セカンドチャンス アメリカは巻き返せるのか」とすべきだったと思います。
 この本は、政治評論というより、
現代史の歴史書と言えるかもしれません。
激動の1990年から2006年までの歴史書という印象があります。
 現代史というものは、あまり学校では教えないでしょう。
それは、歴史的な評価が定まっていないからかもしれません。
また、有権者も、今から直近10年ぐらいの歴史を知る人も少ないかもしれません。
たいていの人は、忙しいし、忘れやすいでしょう。
 重要と思われる新聞記事を10年間保存しておけば、現代史となるでしょうが、
それは、現実的には不可能でしょう。
 そういうわけで、現代史は、現代人にとって、暗黒時代のようなものでしょう。
その暗黒時代を解明する手段となるのが、本書と言えるかもしれません。
 さて、この本の目次を見ると、おもしろいことに気づきます。
第三章 先代ブッシュの負の遺産
 第一節 先見の明がないリーダー
 ・・・・・・・・・・・・・・・
第四章 グローバリゼーションを妄信したクリントン
 第一節 はっきり意思表示しないリーダー
 ・・・・・・・・・・・・・・・
第五章 現ブッシュの破滅的なリーダーシップ
 第一節 テロの恐怖をあおりたて、内政に利用
 ・・・・・・・・・・・・・・・
 要するに、各章の結論は、第一節に書いてあるような感じがします。
同時に、この本は、歴史書であると同時に、リーダー論でもあると思います。
 さて、この本のもうひとつの目的。
「アメリカは、巻き返すことができるか」
 私は、そのチャンスは、十分あると思います。
しかし、同時に、ラストチャンス(last chance)になると思います。





















































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